Amazon QuickSight 1 シートあたりのビジュアル数の上限を検証してみた
Amazon QuickSight でダッシュボードを作成していると、1 つのシートに多くのビジュアルを配置したいことがよくあります。
本記事では、1 シートあたりのビジュアル数の制限を検証した結果を紹介します。
検証結果のサマリ
- 30 個のビジュアル追加時、警告メッセージのポップアップが表示される
- 50 個のビジュアル追加時、上限に達したことを示すメッセージが表示される
- 50 個以降はビジュアルの追加や複製ができなくなる
公式ドキュメントでの記載
公式ドキュメントのサービスクォータページには、1 シートあたりのビジュアル数制限の記載がありません。
別のページでは 1 シートに 30 ビジュアルと表記されています。
Amazon QuickSight supports up to 50 datasets in a single analysis, and up to 30 visuals in a single sheet, and a limit of 20 sheets per analysis.
Adding visuals to Amazon QuickSight analyses - Amazon QuickSight
確認してみた
1 つのグラフを同じシート内で複製し、制限を確認しました。
30個のビジュアル追加時
ビジュアルを 30 個追加した時点で、以下の警告メッセージのポップアップが表示されました。
「シートのパフォーマンスに影響を与える可能性があります」
「追加」をクリックすると編集作業を続行できます。
50個のビジュアル追加時
50 個に達した時点で左ペインのビジュアル表示に次のメッセージが表示されました。
限界を迎えました。
50個以降の制限
50 個の上限に達した後、以下の制限が確認されました。
- 限界に達したシート内でビジュアルの複製ができなくなる
- 新規ビジュアル、インサイトの追加もできなくなる
検証結果のまとめ
QuickSight の 1 シートあたりのビジュアル数の制限事項は以下になります。
- 30 個のビジュアルを追加した時点で、パフォーマンスへの影響を警告するメッセージが表示される
- 50 個のビジュアルが 1 シートあたりの上限である
- 50 個の上限に達すると、それ以上のビジュアルの追加や複製ができなくなる
これらの制限は、シートのパフォーマンスとユーザー体験を考慮して設けられていると推測されます。大規模なダッシュボードを設計する際は、この制限を念頭に置き、適度な粒度でのシート分割をご検討ください。
おわりに
かれこれ 2 年ほどアップデートを続けているダッシュボードがあります。必要な情報を 1 シートにまとめて載せていると 50 個の制限に達しました。
ですが、昔は他シートで複製から複製したビジュアルを最大数の 50 に達したシートへ追加が可能でした。現時点では作成したシートなのか、新しくプロビジョニングした QuickSight の環境の影響なのか特定できませんがこの方法は封じられていることが本検証でわかりました。
なお、以前作成したシートの環境では現時点でも他シートからの追加する方法が利用できています。ですが、そのシートを複製するとたびたび自動保存に失敗しましたのエラーメッセージとともに画面のリロードがかかり保存できないことがあります。という挙動から AWS 側も想定した動作ではなかったことが伺えます。
適度な粒度でのシート分割を早期に検討すべきだったという反省を込めて、この記事を書きました。
この情報が、皆様の QuickSight を用いたデータ可視化・分析の一助となれば幸いです。